那珂川町の鷲子山は、茨城県との県境にある八溝山系の栃木百名山のひとつで、約４６０メートルの低山です。

約一時間ほどで往復できてしまうのであまりのぼる人も少ない山ですが、北方系と南方系の混在する植生が有名で、ウラジロガシ・シラカシなどの暖温帯の要素や、モミやカヤ、イヌブナなどの中間温帯、ブナなどの冷温帯など複数の温度帯植生が混在しており、カシ類やブナが混生したモミの天然林が特徴となっています。

低山なのにこうした貴重な自然環境が揃っているため、日本の自然百選、栃木景勝百選にも指定されているんです。

また、この山頂付近には、栃木県と茨城県の両県をまたぐ形のユニークな神社「鷲子山上神社」もあります。
大鳥居と参道の中心が県境で、境内に向かって左側を歩くと栃木県、右側を歩くと茨城県なんですよ。
大同２年（８０７年）に創建され、天文２１年（１５５２年）に現在地へ再建されたそうで、現在は栃木県・茨城県両県の指定文化財となっています。

本殿は、典型的な江戸中期の作り、装飾の豊かさは類例をみないほどで貴重な遺構になっています。
また、周囲には、千年杉という樹齢１０００年位の杉をはじめとした大木がうっそうとしており、山全体が霊峰といわれる、まさに「パワースポット」といえる神社の一角になっています。

あらゆる場所にふくろうの装飾が施され、「ふくろうの神社」としても有名なこの神社では、 特徴的なお祭り「鷲子山秋祭り」という夜祭りが11月17日（土曜日）に開催されます。

このお祭り、鷲子山開山以来の、とっても伝統のある祭りで、民衆の深い信仰に支えられて、今のなお、古い祭りの形と作法が残るもので、その内容は、現代の神社祭典には見られない、大変貴重な儀式の再現だそうです。それゆえに宗教学的にも民俗学的にも、研究上貴重なものとして、毎年研究者が見学に訪れるほどだそうですよ。御信心の方の参列にも、神人共食の膳がふるまわれるようなので、古い習わしを身を以て体験できます。

是非、フクロウの御利益とパワースポット体験に訪れてはいかがですか？

【鷲子山・鷲子山神社へのアクセス】
国道２９３号線沿い那珂川町と茨城県の県境付近。山道の入口は茨城県側にあります。

【鷲子山秋祭り】
・１１月１７日（土曜日）午後5時30分～（２時間程度）
・１７日（土曜日）と１８日（日曜日）の２日間は、ご縁日として金運だんごをはじめとする様々な出店やイベントが開催。