国指定重要無形民俗文化財の「烏山の山あげ行事」は1560年（永禄３年）から460年以上の伝統を誇り、全国でも類を見ない絢爛豪華な野外歌舞伎舞踊として、毎年７月の第４土曜日を含む金曜日、土曜日、日曜日の３日間で開催されます。
この「烏山の山あげ行事」が2016年12月１日、全国の国指定重要無形民俗文化財である祭礼行事「山・鉾・屋台行事」のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
期間中、若衆は地元の特産である「烏山和紙」に山水を描いた高さ10 メートルにもなる「はりか山」などを路上にあげ、奥行き約100メートルにも及ぶ大きな舞台装置を設置します。
この山を背景に、踊り子が常磐津の三味(しゃみ)にのり、美しい舞を披露します。木頭(きがしら)（指揮者）の拍子木を合図に、舞台背景が千変万化する仕掛けの数々は見事です。
芸題は「将門」や「戻り橋」などが披露されます。夏の強い日差しの中、一つの舞台が終われば次の場所に舞台を移動し一日に数回、所作狂言が行われます。この一連の作業を行うには約150人の若衆が必要とされ、山があげられる場面、その一糸乱れぬ団体行動による舞台装置の解体は迫力満点です。